12月16日に、全日本実業団対抗駅伝(ニューイヤー駅伝)の優勝旗が所在不明となったことを、今年2021年の優勝者である富士通が発表しましたね。
11月下旬頃に、来年元旦の次回大会への返還準備を始めた時にないことが発覚。
紛失や破棄・盗難の可能性も含めて調査しましたが、発見されていないとのこと。
その旗は分解した状態で保管(飾っていなかった)、フロアーの引っ越しを繰り返すうちに紛失したとの事ですが、どうやら間違って廃棄してしまった説が濃厚です。
また、今の所責任は会社側にあるとしてチームの出場辞退は考えていない模様です。
今回は何故このような前代未聞な事態が起こってしまったのか、また今後出場辞退にはならないか、更に新しい優勝旗について考察してみたいと思います。
・チームの出場辞退は?
・優勝旗は弁償するといくらで、作るとどのくらいの期間かかるのか?
何故優勝旗を紛失してしまったのか?
旗は縦106センチ、横115センチで、東京都内の本社の総務部門でケースに入れて管理していたとのことで、下記写真を見ると、結構大きくて重そうです。
1月の全日本実業団対抗駅伝を制した富士通で、優勝旗が所在不明に。紛失や破棄、盗難の可能性も含めて調査したが、発見されていないという。 https://t.co/UD12VWq7H0
— 東京新聞編集局 (@tokyonewsroom) December 16, 2021
旗自体は布なので、支柱から外して畳んでケースに入れてしまうと、透明なケースでない限りは何かわからなくなってしまうでしょう。
一方、支柱の方は選手の身長より長そうなので、2m弱と見られます。
そんな大きなバーを間違えて破棄したりするものなのでしょうか。
社内のレイアウト変更に伴い、6月以降に何度か保管場所を移動し、廃棄物処理や保管品の移動を繰り返していたとのことで、最後に確認できたのは6月12日だそうです。
そこまでは覚えているけれど、それ以降11月まで誰もその存在を確認しなかったという事ですね。
旗はケーズごと間違えて廃棄されるとしても、あの2mにもなるバーはそう簡単に捨てられるようなものではない気もしますが…。
もし、これが本当に「栄誉ある歴史的な優勝旗」欲しさに盗難されたのであれば、二度と出てはこないでしょう。
富士通側は「日本実業団陸上競技連合」を訪れ、謝罪と問題の経緯を報告しました。
平松浩樹執行役員常務は、「栄誉あるものをお預かりしている自覚が足りなかった」と、会見で頭を下げました。
65年分の選手たちの血と汗と涙で出来た努力の証を、どこにしまったかわからないような状態で保存していたこと自体、会社として選手達を大事にしていなかったと思わざるを得ませんね。
チームの出場辞退は?
富士通は中心メンバーとして”東京五輪マラソン代表”の中村匠吾や”マラソン日本記録保持者”の鈴木健吾等が所属する強豪チームで、今年2021年元日の日本実業団対抗で12年ぶり3度目の優勝を果たしました。
11月3日の「第62回 東日本実業団対抗駅伝競走大会」も富士通が 3時間40分04秒で優勝し、来年の出場権も獲得して連覇に期待がかかっています。
「全ての責任は会社にある。出場辞退は考えていない。選手たちには競技に集中して頑張ってほしい」と、会社としては述べていますが、選手達はどう考えているのでしょうか。
心中穏やかではないでしょうが、むしろ来年度も優勝して、更に次の大会までに新しい優勝旗を用意して臨むというのが、一番いいような気もします。
優勝旗は弁償するといくらで、作るとどのくらいの期間かかるのか?
主催の日本実業団陸上競技連合によると、優勝旗を製作したメーカーはアサコ株式会社(本社・大阪市中央区)で、その値段については、計算すると旗と支柱だけなら約46万円。
しかし、65年分の優勝チームの名前が入ったペナントも復元するとなると、1枚で約2000円=65年分で約13万円。
現在の金額に換算した優勝旗本体と合わせると、合計約59万円となるそうです。
製作する会社にもよりますが、金糸による刺繍等も考慮して、優勝旗の製作が決まってから納品までは、早くても約1ヶ月程度はかかるらしいので、今発注しても元旦の大会には間に合わないのは、残念ながら変えようがないようです。
まとめ
残念ながら、今年のニューイヤー駅伝の覇者である富士通が優勝旗を紛失してしまったのには、その「保管の仕方が万全ではなかった」のと「栄誉あるものをお預かりしている自覚が足りなかった」のが主な理由のようです。
また、会社としてチームの出場辞退は考えていないとのことです。
選手達には非はないですし、来年も良い走りをして「優勝旗のない優勝」をすることが、むしろ会社全体としてのお詫びになるような気がします。
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