今年デビュー40周年を迎えた女優で歌手の原田知世さん。
その若々しくて透明感のある姿と声で、いつまでも人気ですよね。
歌手・原田知世さんとして、今までたくさんのジャンルで歌って来られましたが、中でも1997年に発表したスウェディッシュ・ポップのトーレ・ヨハンソンをプロデューサーに迎えたアルバム『I could be free』で新たな一面を確立しました。
今回はその『I could be free』から特に先行シングル曲である「ロマンス」について、オリジナル曲とセルフカバー曲の聴き比べと、歌手活動について音楽性の遍歴もご紹介したいと思います。
・原田知世音楽遍歴も!
原田知世ロマンスのセルフカバー新旧聴き比べ!
アルバム『I could be free』のプロデューサーに選ばれた、トーレ・ヨハンソンは、1994年に手がけたThe Cardigans(カーディガンズ)の楽曲が世界的に大ヒットして一躍有名になりました。
The Cardigansと言えば、1995年リリースの2枚目のアルバム『Life』(ライフ)からの第1弾シングル「Carnival」(カーニバル)が一番印象的ですよね。
あの当時、何度もラジオ番組で曲がかかって、トーレ・ヨハンソンの創る60’sの独特の雰囲気と、キャッチーなメロディーに、耳が釘づけになりましたもん。(笑)
その後日本ではBONNIE PINKやカジヒデキ、レミオロメン、つじあやのさんなど、数々のアーティストもプロデュースしました。
そんな中、原田知世さんもスタッフさんからのおススメで、直接プロデュースのご依頼をした所、快く承諾して下さって、スウェーデンのレコーディングスタジオまで行ったのだそうです。
原田知世さんシングル20作目となった「ロマンス」ですが、作曲者のウルフ・トレッソンもお気に入りのようで、ご自分でもカバー曲のアルバムを出しています。
ちょっと懐かしい感じで、軽快なドラムが特徴的な演奏に、知世ちゃんの爽やかな声が乗って、真っすぐな想いを届けようという真摯な気持ちが伝わる曲、「ロマンス」。
「ロマンス」作詞:原田知世 作曲:Ulf Turesson 編曲:Tore Johansson(1997年リリース)
そしてこちらが、自身によるカバー「ロマンス」。
2017年の作品ですので、最初1997年に「ロマンス」を歌った頃から20年後!?
そうやって考えると、若い頃と全然変わらない!と言いたくなりますが、ちゃんと聴くと、いくら可愛くて爽やかな声と言っても、知世ちゃん自身の20年前の声と比べると、さすがに落ち着いた大人の余裕というかしっとり感が加わって、安心感のある歌声になっています。
それでも、知世ちゃんの持つ”透明感”と”少女感”が、いくつになっても恋をすると少女のようにときめいてドキドキする気持ちを思い出させるーそんな歌になっています。
1997年の時はスウェーデンでの撮影でしたが、2017年版は江の島が見えるので鎌倉ですね。
そして同じく自転車を漕ぐ姿は真っ白な衣装で、そこも清々しい爽やかな知世ちゃんのイメージそのまま。
「ロマンス」(2017年リリース)
どうでしたか?
1997年の頃が別に尖っているとかではないですが、聴いているとこちらの方が丸みがあるというか、声に、音に柔らかさを感じます。
「ロマンス」の作曲者、ウルフ・トレッソンも、ご本人のカバー曲アルバム『Romance』(ロマンス)を出しています。
購入者のレビューを読むと、みなさん高評価で、日本人アーティストに提供した8曲どれもが良いアレンジでドライブにピッタリだとか、中には”北欧のポール・マッカトニー”と称する人も。
新曲2曲も素晴らしい!と評されているので、全10曲間違いのないアルバムらしいです。
アルバム名が「ロマンス」なので、その中でもやはり作曲者本人も一番好きな曲なのでしょうね。
ただ、このCDは数が少なくて入手困難なようです。。
(中古しかない?ようです。)
原田知世音楽遍歴も!
原田知世さんの音楽遍歴を見てみると、大きく変わったのはバブル期と1997年でしょうか。
どちらもヒットしているので、イメージチェンジとしても成功といえると思います。
1989年の「雨のプラネタリウム」は、ファンの中でも特に根強い人気のある歌で、これは本当にアイドル歌手が歌うような歌で、それまでの原田知世像を変えるようなタイプの歌でした。
とてもcoolでカッコ良くて、それまでのカワイイだけの知世ちゃんではなくなりました。(笑)
知世ちゃんの音楽遍歴の中で、まさにバブル期80年代に追従するような曲調で、最初の大きな変貌。
2回ターンを華麗に回れるのはさすが、バレエを2歳の頃からされていた賜物ですね。
ちなみに作曲は後藤次利さん、作詞は秋元康さんです。
「雨のプラネタリウム」 1986/07/09,夜のヒットスタジオDELUXEより
40周年を迎える歌手活動の中で、最も大きく変貌・新境地を迎えたのはやはりトーレ・ヨハンソンをプロデューサーに迎えたアルバム『I could be free』だとは思います。
現在、歌手としての成熟期に入っていますが、その当時はアイドル歌手からの新しい方向性を模索しての、脱アイドル+原田知世の可能性を探っていたように思います。
1990年代以降、本格的に歌手活動に取り組むようになってから、鈴木慶一さんやゴンチチ、羽毛田丈史さん、伊藤ゴローさん達とのコラボレーションによる数々のアルバムを制作。
特に鈴木慶一さんとは仕事歴も長く、気心知れた仲で、これからも新しい音楽を一緒に挑戦して創ってゆかれそうな感じがします。
個人的には、原田知世さんは声が可愛くて爽やかなので、ボサノバなどアコースティックギターとの組み合わせがとても良く、聴いていて心地よいです。
例として、「ときめきのアクシデント」を発売当時の年のものと、セルフカバーのものをお聞き比べして頂けると幸いです。
ちなみに「ときめきのアクシデント」は、原田知世さん主演のフジテレビ系ドラマ『ねらわれた学園』の主題歌で、デビュー年1982年10月21日にリリースされた、来生たかお・えつこ姉弟ご提供の2ndシングルです。
『ねらわれた学園』はSF学園もの?超能力を使ったり、未来へ行ったりと、その頃になかったドラマで、この番組にピッタリなエキセントリックな曲(歌詞もメロディーも)でした。
「ときめきのアクシデント」原田知世 TV版ねらわれた学園エンディング
※ 当時を懐かしみ、そのまま番組のエンディングの動画を選びました。
そしこちらが、35年後のセルフカバーです。(信じられます⁉)
私のおススメ、アコギ1本です。
「ときめきのアクシデント」 作詞:来生えつこ 作曲:来生たかお
こうして聴いていみると、長い年月が経って歌い直してみることで、歌詞の解釈の深さが当時と全然違って、完全に沁み込んでいる感じ。(いわゆる自分のものにしたってことですね。)
”耳へささやく呪文は 私を大事にしなさい”
こんなセリフも、当時まだ10代だった知世ちゃんに比べたら、振り回されそうな程の余裕が感じられますよね。。。
年月が経つってことは、単に古くなるってことじゃなくて、カッコ良く言えばウイスキーみたいに熟成されて、素敵な歴史が醸し出されてるってことなのね。
最後におススメなのが、原田知世さんの代表作「時をかける少女」のセルフカバー版。
こういう、ストリングスのアレンジが前面に出た、ちょっとミュージカル音楽のような感じにされているのも、とても良い。
そして歌っている知世さんがお姫様みたいでカワイイ。(笑)
「時をかける少女」 from『音楽と私 35周年アニバーサリー・ツアー in 東京 2017』
代表作を歌い込んで、一緒に成長して行ってる感じでとても素敵。
歌も伴侶になるのね。
まとめ
「原田知世ロマンスのセルフカバー新旧聴き比べ!音楽遍歴も!」ということで、新旧同じ曲でのご紹介をしてみましたが、いかがだったでしょうか。
女優と歌手という2足の草鞋を履くのは大変だったと思うのですが、ご本人曰く、両方あったからこそバランスが取れてここまで長く続けられたのだとのこと。
演技で表現することと、歌で表現することは全くかけ離れてはいないけれど、違う切り口・やり方で別の準備が必要。だからこそそれらがお互いに刺激しあって活かされているのですね。
今年でデビュー40周年を迎えた原田知世さん。
まだまだその演技や歌の魅力は知世さんと一緒に進化して行くようです。
私も知世さんみたいにかわいいところがたくさんある大人になりたいです。(笑)
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